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コロナ禍でも鉄道業界を夢見ていた学生生活

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ドローン×AI×防災 ~災害情報をジブンゴト化に変える技術~

2026年8月21日北見工業大学 工学部
ドローンの画像

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工学ホットニュース

 わが国では、毎年のように豪雨による河川氾濫や土砂災害が発生しています。2015年9月の関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防決壊により茨城県常総市の広い範囲が浸水しましたが、災害後の検証では、自治体による避難情報の発令時期や対象区域、避難先の設定などに課題があったことが指摘されています。

 豪雨災害時には、多様な情報が自治体に集中します。自治体には、それらの情報を短時間で整理し、必要な対策を迅速に判断することが求められますが、河川の増水や道路の冠水、斜面崩壊などが発生している場所へ人が立ち入ることは大きな危険を伴います。また、広域的な警報や雨量、河川水位などの数値情報だけでは、住民が自宅周辺に迫る危険を具体的にイメージし、避難行動に結び付けることが難しい場合もあります。

 一方、ドローンやAIは近年さまざまな分野で活用されており、防災分野への応用も期待されています。ドローンを用いれば、人が容易に近づけない場所を上空から安全に撮影し、河川や道路の状況を広い範囲から俯瞰して確認でき、危険の兆候を早い段階で捉えることができるため、自治体による避難情報の発信や応急対策などの判断を支援することができます。

テーマの利用・大学での取り組み

 ドローンを活用することで広い範囲の映像を取得できますが、大量の映像を人の目だけで迅速かつ網羅的に確認することは容易ではありません。そこで期待されるのがAIによる映像解析です。ドローンが撮影した映像をAIで解析し、増水や越水、流木の堆積、道路の冠水など、災害につながる可能性のある箇所を抽出できれば、自治体は重要な状況変化を早期に把握し、必要な対策を速やかに検討できるようになります。

 このような背景のもと、本学では、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に参画し、ドローンとAIを組み合わせた「災害調査用ドローン連携飛行システム」の開発に取り組んでいます。

 本システムでは、河川の広い範囲を撮影する「巡回ドローン」と、特定の場所を詳しく調査する「急行ドローン」という、役割の異なる複数のドローンを連携させます。

 まず、巡回ドローンが対象となる河川を飛行し、広域の映像を撮影します。取得した映像をAIが解析し、災害の兆候がある危険箇所の候補を抽出します。次に、抽出された箇所の位置情報をもとに、急行ドローンの飛行経路を自動的に作成します。急行ドローンは対象地点へ向かい、より近い位置から詳細な映像を撮影します。

 この仕組みにより、巡回ドローンによる広域的な状況把握と、急行ドローンによる危険箇所の詳細調査を効率よく行うことができます。人が危険な場所へ直接立ち入ることなく、河川全体の状況と、特に注意が必要な箇所の双方を迅速に確認することを目指しています。

 2026年6月には、北海道の札内川において、札内川ダムの計画的なフラッシュ放流に合わせて本システムの実証実験を行いました。その結果、巡回ドローンが撮影した映像からAIを用いて増水箇所を判定し、その位置情報に基づいて急行ドローンを飛行させる、一連の連携動作を確認することができました。

札内川実証実験

札内川実証実験

ドローン連携飛行システムのイメージ

ドローン連携飛行システムのイメージ

今後の展望

 今後は、さまざまな河川や災害状況の映像・判定データを蓄積し、AIによる危険箇所判定の高精度化と高度化を進めていきます。また、実際の災害時にも複数のドローンを安全かつ安定して運用できるよう、飛行制御や通信、情報共有の仕組みについても検討する必要があります。

 さらに重要なのは、収集した情報を、自治体の災害対応や住民の避難行動にどのようにつなげるかという点です。ドローンとAIによって危険箇所を発見しても、その結果が自治体や住民に分かりやすく伝わらなければ、十分に活用することはできません。

 今後は、自治体職員や土木技術者などの意見を取り入れながら、得られた情報を自治体の災害対応タイムラインにどのように組み込むか、また、映像や地図、メッセージなどを用いて住民にどのように発信するかを検討していく必要もあります。

 ドローンとAIによって得られた情報を単なる観測データではなく、住民が自分の身に迫る危険として理解できる情報へと変換することが重要です。「河川が増水しています」、「避難してください」といった文章や音声だけでなく,自分が暮らす地域の近くで実際に起きている状況を映像で示すことで、自治体による迅速な災害対応を支援するとともに、住民一人ひとりの「ジブンゴト化」と早期避難につながる災害情報発信の実現を目指しています。

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