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離島の公共交通を支える

2016年3月10日
神戸大学 海事科学部

我が国は6847の離島(本土から海洋により隔絶された島)を有しており、その中で人の居住する「有人離島」は418島になります。これらの島の多くはその特別な環境から自然遺産指定を受ける、あるいは農漁業において本土とは大いに異なる農漁業産品を産出するなど、きわめて特徴的な地域です。しかしその一方で人口減少、高齢化など様々な問題が本土の都市地域以上に深刻であるところも少なくありません。神戸大学海事科学研究科 竹林研究室では、このような離島・島嶼(とうしょ)地域が抱える問題の中で、特に公共交通の維持・管理について研究しています。具体的には、離島・島嶼地域に対しては国土交通省など各関係省庁、地方自治体から補助金の形で本土~離島間、あるいは本島~離島間での航空輸送、海上輸送(フェリーや連絡船など)への補助が実施されていますが、この投入された補助金が経年的にどのように本土~離島間の輸送の利便性向上に寄与しているかを統計データを元に分析を行っています。また、アンケート調査により、住民の公共交通利用における運賃に関する支払い意思額(willingness to pay)を調査し、効果的な運賃などへの補助の方法について検討し、研究成果を学術ジャーナルを通じて公表しています。今後は補助金だけではなく、羽田空港など拠点空港との接続強化による需要の喚起の可能性、地域医療における航空サービスの利用、アイランドホッピングの可能性、sea-and-airなどマルチモーダル輸送による離島地域からの生鮮食料品の輸送の可能性について研究を進めています。当研究室では交通政策・輸送インフラに関わる理論研究以外にも、このような実務と密接に関わった研究も行っています。

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