
2025年7月11日
東海地区
名古屋工業大学 工学部
私たちの豊かな生活は、様々な材料の発展によって支えられてきました。身のまわりの電子機器から次世代のエネルギーデバイスまで、現代のテクノロジーの裏側には、多様で優れた性能をもつ「材料」の存在があります。名古屋工業大学 生命・応用化学類の谷端直人助教は、全固体電池(図1)研究を通して、こうした新しい材料の設計・開発に取り組んでいます。
全固体電池は、次世代のエネルギー貯蔵技術の一つであり、従来の液体電解質を固体電解質へと置き換えたものです。全固体電池の大きな利点は、液漏れや発火リスクが低減されるだけでなく、長寿命でエネルギー効率が向上し、持続可能なエネルギーの普及を後押しできる点です。特に、電気自動車や再生可能エネルギーの蓄電デバイスへの応用が期待され、カーボンニュートラルの実現へ向けた重要技術となっています。
現在、最も盛んに研究されている全固体電池の材料が「セラミックス」であり、これは簡単に言えば、金属元素(M)と非金属元素(X)から成る固体です (図2)。セラミックスの研究は、高校の化学では扱う機会が少ないものの、大学の研究室では、周期表を通して元素一つ一つの『個性』を理解し、それらを組み合わせることで『機能』や『価値』へと高めていきます。
東海地方は、古くからセラミックス産業が盛んな地域として、多様な技術と豊かな知見が受け継がれてきました。この豊饒な土壌で、次世代の技術を共に育てながら、未来の豊かさを紡ぎ出してみませんか。皆さんの若い力と挑戦が、さらなる技術の発展と豊かな社会の実現へとつながることを、心から楽しみにしています。
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