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環境への取り組み

数学とコンピュータを使って環境問題に取り組もう!

中国地区

2018年11月22日
中国地区

岡山大学 環境理工学部

岡山大学環境理工学部環境数理学科は、「環境」と「数学」の組み合わさった、全国でも珍しい学科です。自然と人間が調和し、豊かな環境を創っていくためには、環境に関わるさまざまな現象の解析が不可欠です。そのためには、対象そのものに対する理解だけでなく、解析のための理論と技術をしっかり身につける必要があります。また、環境問題に取り組むには、個人的感情に左右されずに、科学的根拠を提示した上で冷静な議論を行うことが重要です。

そこで大事になってくるのが、数学的な見方と方法論、そしてコンピュータを自在に使っていくスキルです。環境数理学科では現象解析に必要な数学・統計学・コンピュータを強力な武器として環境予測や影響評価などの諸問題に取り組んでいます。

例えば、「気象現象や乱流燃焼などのマルチスケール複雑流動現象の解明」、「感染症の流行やその対策」、「病原体と免疫作用」、「動物行動のモデル」、「湖沼の水の流動と汚染の除去」、「大気汚染物質の流れ」、「惑星大気運動の理解と予測」、「環境汚染源と環境因子の統計的分析」、「環境汚染物質のホットスポット検出」のような自然界や社会に現れる複雑な環境現象に対し、

  • 代数学・幾何学・解析学・確率論などの数学
  • データを採取しモデルを当てはめその妥当性を検証する統計的データ解析
  • 数値シミュレーションや可視化(ビジュアリゼーション)などの高度なコンピュータ技術

を駆使しながら、これらのしくみを解明するための研究を行っています。

今回は、実際に環境数理学科で研究されている取り組みについて、その一部を紹介します。

スーパーコンピュータを用いた乱流の数値シミュレーション

台風、集中豪雨、大気汚染や内燃機関における流れなど、我々の生活に関係する多くの現実的な流れは「乱流」です。乱流には大小様々なサイズの渦が混在し、それらは複雑に相互作用します。そのため、乱流現象は一般に理解が困難であり、予測や制御は経験的なものに限られていました。しかし、近年のコンピュータの著しい発達により、現実的な流れに近い乱流の直接的な数値シミュレーションが可能になってきています。そこで、スーパーコンピュータを用いた計算科学の手法と数学を活用した数理科学の手法を駆使して「乱流現象の解明」を目指しています。

乱流中の渦と微粒子の運動の数値シミュレーション乱流中の渦と微粒子の運動の数値シミュレーション
低圧の中心渦とスパイラル形状の渦クラスタ低圧の中心渦とスパイラル形状の渦クラスタ

数学で調べる生物学・病気の流行

「感染症はどのように流行していて、そしてその対策は?」といった、私たちの生活環境に密接する問題を、解析学の視点から解明する研究を行っています。解析学とは微分積分を更に深く研究する分野で、「微分方程式」と呼ばれる方程式を扱って現象を解析します。生物現象の例では、微分方程式を用いると、生物の個体数が時間とともにどのように変化するかを考える事ができます。また、複数の生物を対象としたときには、それらの共存の可能性や進化の問題に応用できます。生物集団の個体数の変化や、病気が流行したときの患者の数などを変数として数学的なモデルを作りその性質を調べることによって、興味のある現象についての理解を深めていきます。

環境データの統計的解析のための理論と応用

不確実性や複雑性を含んだ現象を解析するために、統計的方法の理論と応用に関する研究を行っています。環境をはじめ多くの分野のデータは、時間・空間的情報を伴った多変量のデータとして得られることが多く、これらの構造を明らかにすることが一つの大きな研究テーマです。例えば、リモートセンシングデータを解析して得られた植生や生態系の土地被覆状況の情報から地理情報システム(GIS)を利用して空間的・時系列的に現象を解析したり、多次元空間データにおいて統計学的に意味の有る集積性がみられる地域(ホットスポット)を検出するための研究を行っています。

最終処分場建設にあたっての物理的・社会的要因を考慮した最適配置の検討最終処分場建設にあたっての物理的・社会的要因を考慮した最適配置の検討
放射線量モニタリングポストデータに基づくホットスポットの検出放射線量モニタリングポストデータに基づくホットスポットの検出
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