トップページ > 生レポート!大学教授の声 > 未来の再生可能エネルギー開発を目指す -バイオ電池開発-

生レポート!大学教授の声

 

未来の再生可能エネルギー開発を目指す -バイオ電池開発-

 
2014年10月21日
福井大学大学院 工学研究科 
繊維先端工学専攻
末 信一朗

次世代バイオエネルギーの開発

未来の再生可能エネルギー開発を目指す -バイオ電池開発-

これからは従来の化石燃料に代わる次世代エネルギーの多角化を目指して新たなエネルギー開発が必要である。バイオ系次世代エネルギーとしてはバイオマスを利用したバイオエタノールの生産が最も進んでいるが、分離・蒸留などエネルギーが必要な種々の工程があり輸送コストなども考えると、総合的なエネルギー収支比は極めて小さく次世代エネルギーとしては多くの問題を抱えている。一方、酵素を触媒とするバイオ電池は安全性が高い、軽量化・小型化が容易であるといった利点があり、使用したい「その場」に対応した微小電源として人工臓器やロボット型内視鏡などの体内用ロボットへの応用や携帯型電子機器の電源など多様な用途への展開が期待されている。木質バイオマス糖化液や発酵産物(培養液)などが駆動源として活用できる。最終的にバイオ電池が実用化されれば、電池構成には繊維材料、機械、化学などの多くの産業が広く関わってくることが期待される。

バイオ電池を実用化するには

未来の再生可能エネルギー開発を目指す -バイオ電池開発-

しかし、電池を構成するデバイス(電極)上での酵素を介した電子も効率的な受け渡しが必要であり、そのためには、酵素分子の電極上での分子レベルでの方向制御など効率の良い電子授受の場の設計が求められる。酵素分子の遺伝子レベルでの設計やどのような分子からエネルギーを取り出すのかなど反応系の構築など多くの課題があり、ここには遺伝子工学、酵素工学、材料工学、電気化学など工学の分野をまたいだアプローチが求められている。まだまだ、バイオ電池の実用化への道のりは遠いものではあるが、一歩一歩着実に前に進んで行きたい。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2009-10-01

環境への取り組み

水の流れを追いかける研究者たち

山梨大学工学部

2011-01-24

環境への取り組み

宮崎大学における太陽光発電の研究開発

宮崎大学工学部

2015-10-29

なんでも探検隊

海洋エネルギーへの挑戦

長崎大学工学部

2013-10-16

生レポート!大学教授の声

生命を形づくるタンパク質の謎に迫る。それは、未来の"いのち"につながっている。

鳥取大学工学部

2014-02-18

環境への取り組み

膜分離技術を活用したエネルギー・環境技術の紹介

長崎大学工学部

2015-03-03

なんでも探検隊

海藻は宝の山-コンブからエネルギーと有用物質をつくる

広島大学工学部

福井大学
工学部

  • 機械・システム工学科 機械工学コース
  • 電気電子情報工学科 電子物性工学コース・電気通信システム工学コース
  • 電気電子情報工学科 情報工学コース
  • 建築・環境都市工学科 建築学コース・都市環境工学コース
  • 物質・生命化学科 繊維・機能性材料工学コース、物質科学コース、バイオ・応用医工学コース
  • 応用物理学科
  • 機械・システム工学科 ロボティクスコース
  • 機械・システム工学科 原子力安全工学コース

学校記事一覧

生レポート!大学教授の声
バックナンバー

このサイトは、国立大学54工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。