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生レポート!大学教授の声

 

手作り人工衛星で宇宙の謎を解く

 
2014年9月17日
金沢大学 理工研究域 電子情報学系
八木谷 聡

宇宙空間からテレビ電波を放送しているBS衛星や、日本上空の雲の様子を撮影している気象衛星、カーナビやスマホの現在位置が分かる電波を送信している航法衛星など、私たちの生活はいろいろな場面で人工衛星の恩恵を大きく受けています。一方では、人工衛星を飛ばして、地球の周りだけでなく月や太陽系の惑星を探査したり、放射線や光、電波を観測して百億光年以上彼方の宇宙の姿を見ることも可能になってきています。しかし、このような人工衛星や宇宙開発と聞くと、自分たちには遠く手の届かない、一部の限られた科学者・技術者だけが莫大な予算を使って実施するもの、というイメージがあるのではないでしょうか。

今、宇宙開発が身近になる時代が訪れようとしています。これまで、人工衛星の開発・運用には国の宇宙機関や大企業が中心となり、10年近い年月と数百億円のコストが必要でした。しかし最近、大型ロケットへの相乗りや外国の安価なロケットを利用することで、大学などの小規模な組織であっても独自の超小型衛星(50 kg以下)を数億円のコスト、数年で開発することが現実的になりつつあります。

金沢大学理工学域・大学院自然科学研究科では、平成26年度より、本格的な宇宙科学観測を行える手作り超小型衛星(金沢大学衛星)を開発することを目指し、理工一体の「金沢大学衛星プロジェクト」をスタートしました。まずは大学院を対象に、超小型衛星とそこに搭載する科学観測装置の設計・製作を通じて、「衛星の作り方」と「衛星による宇宙の科学観測」を中心とした最先端の宇宙理工学を重点的に学べる環境を整えていきます。学生が自ら衛星を開発する現場を通して、次世代宇宙科学・工学を担う研究者・技術者や、基礎科学・応用工学(技術)の両者の視野・スキルを身に付けた人材を育てると同時に、民生部品を利用した安価で実用的な超小型衛星の工学的実証を目指します。同時に、金沢大学の宇宙理工学研究グループが持つ世界最高水準の放射線及び電波観測装置を超小型衛星に搭載することで、百億光年彼方の宇宙の姿から、地球周辺の宇宙空間の構造まで、迅速かつタイムリーな宇宙観測による研究成果が期待されます。

自分たちの手で設計・開発した人工衛星が宇宙を飛翔し、貴重な科学的観測データを送ってきてくれる。それがすぐそこに手が届くところまできています。ぜひ、私たちといっしょに、自ら作った人工衛星で、宇宙の謎を解明しましょう。

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