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生レポート!大学教授の声

 

ものづくりにおける本当のエコってなんだろう

 
2010年6月3日
岡山大学 大学院 
環境学研究科 資源循環学専攻 
物質エネルギー学講座
木村 邦生

ものづくりにおける本当のエコってなんだろう

深刻な環境問題を引き起こしている現代社会からの脱却を目指して、持続的資源循環型社会へのパラダイムシフト(劇的な変化)が急がれています。このような危機的背景からエコロジーブームが到来し、何でもかんでも接頭語のように“エコ”が付いてきます。

最近よく考えることがあります。それは、「まやかしのエコが横行しすぎでは?」、「本当のエコって何だろう?」ということです。皆さんは疑問を持ったことはありませんか?危機的背景から発生した“エコ”は、ビックビジネスチャンスへのポテンシャルを持つ甘美な接頭語になりつつあり、危機感は何処へ?

もっと身近な話。例えば、インスタント食品を食べ終わってお腹いっぱい。「ああ、おいしかった。まんぞく満足。さて、ゴミを捨てよう。」と思った時、なんだか後ろめたい気持ちになったことはありませんか?「こんなにゴミを捨ていいのかな?」、「このゴミ、何かに役立たないのかな?」、「ゴミで何かが作れないのかな?」。こんな思いが胸に込み上げてきたことがあれば、あなたの中に“ものづくりエコマインド”が芽生えてきている証拠です。大切に育てましょう。

再生可能な資源を最大限に活用するためには、その消費速度を再生速度より抑制することが必要です。再生困難な資源を使用せざるを得ない場合でも、再生資源で代替するための技術開発を併走させることが重要でしょう。環境浄化や保全・修復に資する技術に加えて、材料の開発がとても大切です。

私の専門であるプラスチックの分野においても、材料のエコマテリアル化は重要な課題で、多機能・高性能化、省量化、省材料化、長寿命化、再生資源の有効利用、リサイクル性や自然環境下での分解性の付与など課題山積です。材料の調製方法においても、省エネ化はもちろんのこと、原子効率の向上や触媒反応の利用などグリーンケミストリーの観点に立った開発が求められています。有機材料の開発において認識しておかなければならないことは、地球上で資源を作り出すことができる唯一の働き者は、植物のみであることです。植物は、炭酸ガスと水と太陽光から炭素を固定化することができます。再生資源の生産者である植物に感謝!自然界の営みの中にエコの本質を学びとり、今までにない“環境にやさしい本当のエコ材料”を作り出しましょう。そして、自然と共生できるような新しい材料を世の中に送り出してみませんか。ものづくりはとても大切で、とってもとっても素敵です。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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