トップページ > 生レポート!現役学生の声 > 人間社会の将来を考え、解決策を探り、つくり上げる!

生レポート!現役学生の声

人間社会の将来を考え、解決策を探り、つくり上げる!

2016年08月19日
岡山大学 環境理工学部 環境デザイン工学科
N.K.
人間社会の将来を考え、解決策を探り、つくり上げる!

 高校生の皆さんは、「ドボク」というとどういったことをイメージされるでしょうか? 恐らくほとんどの人は、土木工事=「道路工事」や「ダム建設」といったイメージしかないのではと思います。そういう私も大学へ入学するまでは、同じような考えしか持っていませんでした。土木工学は、英語ではCivil Engineering(シビル・エンジニアリング)と言います。直訳すると「市民のための工学」です。ここでいう「エンジニアリング」とは、「人間社会において、自然との調和を保ちながら、実行可能な方法論によって解決策を見出していく作業」であると理解されます。

 「建築と建設(土木)はどう違うの?」という疑問を持つ人もいると思います。大雑把に言えば、「建築」工事を依頼するのは、ほとんどが民間であるのに対し、「建設」工事を依頼するのは国や地方自治体(県市町村)であることが大きな特徴です。つまり、我々が日々利用している公共施設のほとんどを設計し、造るのが「ドボク」の役割となります。

 土木工学では、道路、橋、トンネル、河川堤防といった、人間が生活してゆく上で必要不可欠な、いわゆるインフラストラクチャー(社会基盤)を造ることを基本としますが、21世紀に入ってからは、それまでの開発一辺倒の時代に別れを告げ、いかに効率よく、環境に負荷を掛けない形で現在ある社会基盤の維持管理を行ってゆくか、という視点でこれからの日本社会を考えて行かなければなりません。

 私が学んでいる環境デザイン工学科では、大きく分けて「環境影響の評価」、「技術の開発・設計」、「社会環境の計画」という3つの視点で、教育と研究が行われています。

  1. 環境影響の評価とは、人間活動が水環境、大気環境、自然へ人間活動が及ぼす影響や、反対に甚大な自然現象が人間社会へ及ぼす被害影響を予想し、調べることです。
  2. 環境技術の開発・設計とは、環境負荷の小さい建設材料、耐久性が高く効率的な設計や工法、コンパクトかつ簡便な環境の探査手法、環境負荷の小さい廃棄物・排水処理などの解決策を考えることです。
  3. 社会環境の計画とは、社会の変化に適応したまちづくり、効率的な交通システム、エネルギー・環境負荷の小さい都市計画、効率的な廃棄物収集システム、自然災害からの被害を最小限にする国土づくりなどの策を提案することです。

 現在、私は「地中レーダーを用いた河川堤防内の土中水分動態の非破壊計測」というテーマで卒業研究に取り組んでいます。2015年9月に栃木県で鬼怒川の堤防が決壊し、甚大な被害が発生しました。堤防中に浸透してゆく水は堤防の安全性を大きく左右するのですが、堤防内の水分動態を広範囲に把握することは容易ではありません。これらの予測の為には、数値シミュレーションモデルを使うことが一般的となっていますが、精度の良い数値モデルを構築する為には、実際に測定された土中水分量の計測データに基づいて、比較検証を繰り返してゆく必要があります。地中レーダーによる探査技術は、実際の堤防を壊すことなく堤防内の水分動態を簡便かつ迅速に測定する方法として、堤防の数値モデル構築への貢献が期待される技術です。

人間社会の将来を考え、解決策を探り、つくり上げる!

 私は、大学で学んでいる専門科目、研究テーマ、最新技術などのすべてが、我々の社会を作り上げてゆく要素であることを実感する毎日を過ごしています。皆さんも、将来、人間社会の「環境」を「デザイン」する仕事を選択してみませんか。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2010-01-28

生レポート!卒業生の声

構造物を設計する楽しみ

山梨大学工学部

2014-07-25

生レポート!卒業生の声

土木と環境の融合を自分の手で

岡山大学環境理工学部

2015-12-10

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

【vol.21】好奇心を原動力として

長崎大学工学部

2017-02-17

生レポート!現役学生の声

好奇心のなすがまま、世界をのぞく

山梨大学工学部

2010-06-09

生レポート!大学教授の声

海から未来へ!

東京海洋大学海洋工学部

2009-10-01

生レポート!卒業生の声

設計という仕事を通して感じたこと

静岡大学工学部

岡山大学
環境理工学部

  • 環境数理学科
  • 環境デザイン工学科
  • 環境管理工学科
  • 環境物質工学科

学校記事一覧

生レポート!現役学生の声
バックナンバー

このサイトは、国立大学54工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。