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写真や絵画の中の水を動かす技術

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Pict-Labo~写真と動画で科学をのぞく~

ミクロな世界を創り出す超精密3Dプリンター

2017年2月3日|横浜国立大学 理工学部
3Dプリンター

コンピュータで作成した立体モデルから、複雑な部品を自在に作製できる3Dプリンターが注目されている。なかでも、光を当てると固まる樹脂を使った光造形法では、髪の毛の上にウサギモデルを作ったり、光ファイバーの先端にマイクロタービンを作ったりもできる。このような小さな部品は、医療やエレクトロニクスなど幅広い分野に応用できる。例えば、医療では、微量な血液や汗から健康状態を調べる小さな分析チップや、体内で診断・治療を行うミクロな内視鏡などに応用できる。また、薄くて軽いウエアラブルな携帯端末などにも応用できる。

コンピュータで作成した立体モデルデータ 積層造形するためのスライスデータ
光硬化性樹脂
液体の流れ
レーザー光で動かすマイクロポンプ

レーザー光で動かすマイクロポンプ

どうやって作るの?

 コンピュータの中で、立体的なモデルを描くことができる3次元CAD(Computer Aided Design:コンピュータ支援設計)というソフトウェアを使って、作りたい立体モデルのデータを作成する。次に、立体モデルを薄くスライスして、立体モデルを造形するための断面の図形データを複数作成する。そして、この断面データの塗りつぶすようにレーザー光を動かして、光を当てると固まる樹脂(光硬化性樹脂)を硬化させながら、各断面を積層させることで、立体モデルを造形する。光硬化性樹脂は透明なので、指先サイズの小さな透明モデルを作ることができる。さらに、レーザー光をレンズで小さく集光すると、髪の毛の上のせることができる0.1ミリより小さいミクロな立体モデルも作ることができる。

どうやって動かすの?

 小さなマイクロマシンを動かすには、静電気や磁力などさまざまな方法があるが、光硬化性樹脂は透明で軽いため、光の力を使って非接触で動かすことができる。光は運動量をもっているため、透明なマイクロマシンに照射すると、その表面で反射、屈折する際に反作用として、マイクロマシンに駆動力を与えることができる。この光の力の大きさは、ピコ・ニュートン(10-12ニュートン)程度と非常に小さいが、液体中に浮遊する10マイクロメートル程度の大きさのマイクロマシンを動かすには十分な大きさである。この方法を使うと、例えば、直径が10マイクロメートルの回転子を2つ組み合わせたマイクロポンプなども動かすことができる。

実験に使用したもの

  • レーザー光を用いた超精密3Dプリンター
  • 微小な造形物を観察する電子顕微鏡
  • 微小なマイクロポンプを動かすためのレーザーと光学顕微鏡

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