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授業紹介

企業の経営実態を定量的・定性的に分析する「会計学基礎論1、2」

有価証券「報告書(有報)からなにがわかるか 財務諸表:企業の健康診断と通信簿

 神戸大学海洋政策科学部は、理学・工学・人文社会科学を融合して、「海」の多様な側面を包括的に学ぶことができる学部です。本学部では、1年次の教養科目の勉強を経て、 2年次に海洋基礎科学、海洋応用科学、海洋ガバナンス、航海学領域/機関学のいずれかの領域に専門分野を決めます。本学部の特徴は、各々の専門領域以外の副専門領域を選択する形式をとっており、理系の専門領域であっても法学・経済学・経営学など文系科目を副専門分野として勉強します。これらの多様な学びの中で、自分の専門分野だけではなく、文系・理系を問わないさまざまな専門分野の橋渡しになり、総合的な問題解決をすることのできる人材の育成を目指しています。

 このように多様なバックグラウンドや関心を持つ学生が集まる海洋政策科学部ですので、文系科目である「会計学基礎論1、2」では、特に理系の研究分野を志す学生でも会計学という未知の分野に関心を持ってもらうよう、会計の専門家になるための知識ではなく、あくまで会計情報の「ユーザー視点」に徹した講義にしています。

 本講義では、次の三つのことを勉強します。①決算後の企業状況がまとめた書類である有価証券報告書(以下、有報)の定量情報である財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算+包括利益計算書、株主資本等変動計算書)の役割や各々の繋がりについて理解し、自分が必要な情報の抽出、②それらの定量データを用いて、企業の収益性、生産性、安全性、不確実性リスク、成長性などの経営分析、③上記の定量分析を有報に含まれる定性情報で補完し、企業の現在の事業展開や戦略・組織形態の評価や将来の経営に対する提言です。

 受講生は、数百ページにもおよぶ有報や見慣れない財務諸表に最初は戸惑っていますが、企業の定量的・定性的情報を合わせて読めるようになることで、企業の事業展開や戦略など、活き活きとした企業経営の実態が見えてくるようになります。

 本講義では、受講生に自分が関心のある企業を最初に選んでもらい、計7回課すレポート課題すべてで、その企業や業界の分析してもらっています。自分が選んだ企業や業界を分析することで、これまでに持っていたイメージとその企業や業界の経営実態との差が理解できたり、思わぬ一面を見つけたりできたりできることで、会計や経営分析の面白さを理解してもらうように心がけています。

神戸大学 会計学基礎論1、2
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