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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

化学反応を使ったカラフルカプセルを作ってみよう!

2017年12月8日
長岡技術科学大学 工学部

 カプセルとは一般的に物を封じ込めておく容器のことを言います。この実験では、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムを用いて、小さなボール状のカプセルを作ります。アルギン酸ナトリウム着色液を、塩化カルシウム水溶液中にポタッと落とすと、小さな美しい色の粒が水面に浮かんできます。この粒の表面は水に溶けない膜で出来ていて、膜の中には小さな液滴が閉じ込められています。それでは、化学反応を用いた小さなカラフルカプセルを作ってみましょう。

準備

  1. アルギン酸ナトリウム
  2. 塩化カルシウム
  3. 水性絵の具または色素(少量 数色)
  4. ビーカー
  5. ポリスポイトまたは注射器
  6. 網(天ぷらカス揚げ網、茶こしなど)
  7. サンプル瓶または空のペットボトル容器
  8. 水(ポリ洗浄びんなどに入れる)

事前準備

  1. 1%-アルギン酸ナトリウム水溶液は、一例としてアルギン酸ナトリウム 1g に水 99ml を加えて撹拌調製する(例えば、約20ml×5色)。自然溶解に時間がかかるので、2~3日前までに準備する。
  2. 1.で調製したアルギン酸ナトリウム水溶液に絵の具などを少量ずつ加え、色を確認しながら着色する。
  3. 10%塩化カルシウム水溶液は、一例として塩化カルシウム 50g に水 450ml を加えて撹拌調製する(例えば、約90ml×5回分)。

手順

液滴の飛び跳ねに備え、保護メガネをかけて実験を行いましょう!

  1. スポイトを用い、着色したアルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液中に「ポタッ」と落とす。
    スポイトは真っ直ぐ持ち、液面より 5cm ほど上から落とすと粒が丸くなりやすい。
  2. 空ビーカーの上に網をのせ、粒(カラフルカプセル)と塩化カルシウム液を一緒に流し込み、粒を濾し分ける。
    濾した塩化カルシウム水溶液は再利用できる。
  3. 網の上に残った粒は、適当な容器の上で水をかけて洗う。出きた粒状のカラフルカプセルについて、水で洗ったあとに硬さを観察する。また潰してみたりするとよい。 
  4. 網の上にある粒を小さな空ビーカーへ移し、そこへ少量の水を加える。
  5. サンプル瓶や空のペットボトル容器に、④の粒と水を一緒に流し入れる。
    この後、サンプル瓶やペットボトル容器に水を溢れる直前まで加えて満たす。気泡等がなるべく少なくなるようにして蓋をしっかり閉める。

※塩化カルシウムが手に付着したら水道水でよく洗う。残ったアルギン酸ナトリウム水溶液は、塩化カルシウム水溶液に入れて全て反応させる。出来た固まりを取り除き、水を切ってから各市町村の分類に従って処分する。

原理

 アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムの化学反応を利用して、不溶化反応法でカラフルカプセルを作成します。

 アルギン酸は天然の多糖類で、単糖分子がグリコシド結合によって多数重合した糖です。食物繊維の一つであり、昆布、ワカメに代表される海藻類の「ぬるぬる」や、「ねばねば」した成分です。波に揉まれる海藻のしなやかさは、このアルギン酸が持つ独特な物性によるものとされています。

 一方、塩化カルシウムは、除湿剤(吸湿剤)、乾燥剤、凝固剤として身の回りで使われ、また融雪剤として冬期の寒冷地道路で凍結防止のために利用されます。

 このアルギン酸のナトリウム塩は「水溶性」ですが、カルシウムなどの塩は「不溶性」です。したがってアルギン酸ナトリウムを含む水滴が、塩化カルシウム水溶液に触れると、この触れた部分がゲル化し、液滴の表面にアルギン酸カルシウムの不溶性膜ができます。ゲルとは繊維が絡まり合い、網目状になった状態を言います。人造イクラも、この不溶化反応法を利用して作られています。

 不溶性のアルギン酸カルシウム膜には半透性があり、分子の大きさによって膜を物質が通過する速さが異なります。ノンカーボン紙、医薬品、持続性農薬などへの様々な応用が考えられます。

アルギン酸ナトリウム(水溶性)+塩化カルシウム(水溶性)
→ アルギン酸カルシウム(不溶性)+塩化ナトリウム(水溶性)

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