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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

応力集中を体験してみよう
―使いたいときに簡単に開けられるしくみ―

2017年4月14日
佐賀大学大学院 工学系研究科
機械システム工学専攻 先端材料システム学分野
森田 繁樹

準備するもの

  • A4用紙1枚
  • 定規
  • はさみ
  • カッター

実験方法

  1. 実験台紙をダウンロードし、A4用紙に印刷します

  2. 形状Aから形状Dを切り出し、赤線に沿って切り込みを入れ実験用紙を準備します。

  3. それぞれの形状を引っぱって破るために必要な力の順位を予想し、実験用紙に記入しましょう。
    (「力を受け持つ幅」と「切り欠きの長さ」は全て同じ長さです)
  4. 黒矢印の所をつまんで、上下方向に真っ直ぐに引っぱって、力の大きさを確認してみましょう。

解説

「切り込み」があると、その先端近くでは加えた力が数倍になって作用します。これを「応力集中おうりょくしゅうちゅう」と言います。応力集中の程度(度合い)は、1本の切り込みの長さ(正確には、「切り込みの長さ」と「紙の幅」の比(割合))と先端の形状によって大きく変化します。特に、鋭い切り込み(き裂)の場合には最も大きな力が働きます。従って、同じ切り込み長さの形状Bと形状Cとでは、切り欠きの先端がより鋭い形状Bの方が小さい力で簡単に破れてしまいます。また、切り込み長さの総和が同じであっても、形状Dのように両側に短い切り込みがある場合は、形状Bや形状Cよりも破るために大きな力が必要となります。

 この応力集中は身の回りで広く利用されています。例えば、「食料品や生活用品などのパッケージ」、「缶ジュースの飲み口」などで、使いたいときに「小さい力」で「切りたい場所」を簡単に開封できるのは応力集中のおかげです。最近では、どこからでも開封することができる「マジックカット」が調味料の小袋などに利用されています。簡単に開封できる理由は、袋の端近くに無数の小さな切り込みが入っているからです。また、「割り箸」も応力集中を利用する身近な生活用品の1つです(どこを持って割り箸を割れば、できるだけ小さな力で簡単に割ることができるか実験してみましょう)。

 一方で、自動車などの乗り物や建物・橋などの構造物に応力集中が起こるような切り欠きやき裂がある(発生する)と、予想してなかった小さい力で壊れてしまい、重大な事故につながってしまうので注意が必要です。

身の回りの便利な切り欠きの例

生活用品などのパッケージ

生活用品などのパッケージ

缶ジュースの飲み口

缶ジュースの飲み口

マジックカット
マジックカット

マジックカット
http://www.excite.co.jp/News/bit/ 00091121262679.html

割り箸

割り箸

実験結果

実験後の様子

実験後の様子

それぞれの形状を引っぱって破るために必要な力の順位は、大きい方から
1位:A、 2位:D、 3位:C、 4位:B、です。正解できましたか?

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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