トップページ > なんでも探検隊 > ロボティクスによる農林水産業イノベーション

なんでも探検隊

ロボティクスによる農林水産業イノベーション

2016年12月27日
岩手大学 理工学部

岩手大学理工学部には、持続可能な社会づくりを実現するための技術課題に取り組む「ソフトパス理工学総合研究センター」があります。この研究センターでは、教員個人の研究レベルを高めると同時に、異なる研究分野や社会との連携を深めることで、研究を活性化し、地方大学にありながら世界レベルの研究拠点の形成を目指して活動しています。

ウニ・アワビ漁の様子ウニ・アワビ漁の様子

日本の農林水産業においては、高齢化や担い手の減少などによる労働力不足が問題となっています。この問題を解決するために、農林水産業・食品加工業におけるロボットの実用化が国の目標として掲げられています。また、岩手大学理工学部にはロボット研究者である教員が複数在籍しており、農林水産関連企業から多くのニーズが寄せられています。このような背景から、2015年にソフトパス理工学研究センターに「農林水産ロボティクス研究部門」が設置されました。現在は、水中資源調査・管理用ROVの研究開発と人工知能による小型船舶安定制御を実施しています。

岩手県のアワビとウニの漁獲高はそれぞれ全国トップクラスです。アワビやウニの漁の際には海上で小型船を自由に操り、任意の位置に留めなければなりません。この船舶制御を人の代わりに行う自律安定化システムを研究しています。

海上で船舶を自由に制御するためには、船舶の加速度成分を正確に予測できなければなりません。船舶の加速度aは、フリーダイナミクスによる加速度aF、動力による加速度aA、 外乱による加速度aDにより決まります。船舶の加速度aは海底画像処理とジャイロセンサを用いて計測でき、 動力(スラスタ)による加速度aAはスラスタへ与えた指令値とその際のaの対応から求めることができます。

船舶に作用する加速度船舶に作用する加速度

しかし、フリーダイナミクスによる加速度aFは船体の形状や速度などで異なり、数式で表すことは困難なため、人工知能(力学系学習木)によって推定しています。実験機を用いて加速度aFを学習・推定した結果、実際のフリーダイナミクスによる加速度と一致する結果が得られています。

これで、加速度のすべての成分を予測でき、外乱の影響を打ち消すための命令をスラスタに与えられます。現在は学内の造波水槽を用いて波の影響を打ち消すための実験を進めるとともに、実際に海で使用できる実験機の開発を行っています。

小型実験機小型実験機
大型実験機大型実験機
※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2016-07-14

生レポート!卒業生の声

建築との出会い

和歌山大学システム工学部

2014-03-27

生レポート!大学教授の声

A Message from a Professor

琉球大学工学部

2017-10-06

おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

ペットボトルで顕微鏡を作ろう!

岡山大学工学部

2013-10-16

環境への取り組み

汚染水中の放射性物質を除去するための吸着繊維の製造と除染現場への適用

千葉大学工学部

2010-02-12

環境への取り組み

水と二酸化炭素を利用した環境調和型工業溶剤の開発

弘前大学理工学部

2014-01-27

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

【vol.10】大学は日々疑問と発見の連続!

茨城大学工学部

岩手大学
理工学部

  • 化学・生命理工学科(化学コース)
  • 化学・生命理工学科(生命コース)
  • 物理・材料理工学科(数理・物理コース)
  • 物理・材料理工学科(マテリアルコース)
  • システム創成工学科(電気電子通信コース)
  • システム創成工学科(知能・メディア情報コース)
  • システム創成工学科(機械科学コース)
  • システム創成工学科(社会基盤・環境コース)

学校記事一覧

なんでも探検隊
バックナンバー

このサイトは、国立大学54工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。