トップページ > なんでも探検隊 > 混相流れを視る~プロセス・トモグラフィーの応用~

なんでも探検隊

 

混相流れを視る~プロセス・トモグラフィーの応用~

 
2014年9月19日
千葉大学 工学部

2つ以上のものを同時に流したとき、外側からは見えないパイプ中の流れの様子が見たい!でもガラスやプラスチックだと強度が心配だからイヤ!

そんなときにコンピューテッド・トモグラフィー(CT)を使うと物の内側が画像として出力されます。この技術は病院や、空港の荷物検査に応用されています。しかしながら、このCTは一基が1億円以上と高価であり、手軽に使えるものではありません。

プロセス・トモグラフィーの原理

千葉大学 武居研究室は、プロセス・トモグラフィー(PT)というCTより大幅に安価で、さらに高時間解像度(データ収集がミリ秒オーダ)で測定可能な技術の研究をしています。この技術は、主に「固体と液体」や「固体と気体」などの、混相流の断面濃度分布を可視化する方法です。たとえばパイプの周りに設置された電極間において物理量を測定して、その測定を電極全ての組み合わせで実施し、感度関数と組み合わせることにより出力画像を再構成しています。測定する物理量は電気抵抗やキャパシタンスなどがあります。

血流への展開
マイクロ流路への展開

この技術の応用はすでにガソリンを精製する大型のプラントに応用され、触媒と空気の混相流を画像化し、その濃度分布の取得に成功しています。今後船舶エンジン内の可視化にも利用が考えられており、それ以外に高分子材料の温度分布測定への応用も研究中です。これは射出成型への適応を考えており、今までは職人さんの「勘」であった部分を数値化できると予想しています。さらに工業系以外にも応用されており、例えば人工心臓内に発生してしまう血栓の検出などが挙げられます。これは患者さんにとって必要不可欠なテーマであり、本研究室では静止血液中にて血栓の画像化に成功しています。他にも、マイクロ流路への応用もされています。この流路は800μmであり、ポリスチレン粒子と水の固液二相流の濃度分布の取得に成功しています。この技術は今後、iPS細胞などの細胞製造プロセスへ応用が可能と考えています。

このようにPTはさまざまな分野に応用されています。今後も「この分野には応用できない」と決めつけずにさまざまな分野にチャレンジしていきます。

ものづくりへの展開
※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2011-11-16

生レポート!現役学生の声

失敗と挑戦の日々

九州工業大学工学部

2015-01-13

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

【vol.16】目指せ!世界で活躍する女性エンジニア!!

香川大学工学部

2015-09-07

なんでも探検隊

手描きスケッチで3次元の形を検索!

山梨大学工学部

2013-09-20

生レポート!卒業生の声

大学で学んだ重要なこと

福井大学工学部

2013-10-16

生レポート!大学教授の声

生命を形づくるタンパク質の謎に迫る。それは、未来の"いのち"につながっている。

鳥取大学工学部

2015-12-21

生レポート!卒業生の声

大学で得る自信

山形大学工学部

千葉大学
工学部

  • 建築学科
  • 都市環境システム学科
  • デザイン学科
  • 機械工学科
  • メディカルシステム工学科
  • 電気電子工学科
  • ナノサイエンス学科
  • 共生応用化学科
  • 画像科学科
  • 情報画像学科

学校記事一覧

なんでも探検隊
バックナンバー

このサイトは、国立大学55工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。