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環境への取り組み

みんなのバイオマスエネルギー

関東地区

2015年8月3日
関東地区

群馬大学 理工学部

環境創生理工学科・野田研究室では、バイオマスをエネルギーに転換するプロセスの開発が進められています。開発のキーワードは「適正技術」と「社会実装」。大学の研究室の片隅で始まったごく小規模の実験成果を、実際の社会に導入されるように改良しながら、最終的な商用機の開発につながる、より大きな装置の開発(スケールアップといいます)を手がけています。以下では、研究室で進められている二つのプロジェクトを紹介します。

地域の未利用資源を液体燃料に(NEDO戦略バイオプロジェクト)

2トン/日試験設備外観2トン/日試験設備外観

高崎市にある廃棄物焼却炉メーカーの(株)キンセイ産業と共同でバイオマスを液体燃料に転換するプロセスの開発を行っています。地域で発生する未利用のバイオマス資源(農業廃棄物、畜産排泄物、木材廃棄物)を集めて液体燃料に転換し、製造した液体燃料は地域のハウス農家等で利用する計画です。このプロセスは、バイオマスを熱分解してタールを回収する熱分解炉と、回収タールの一部を水蒸気ガス化して水素に転換するガス化炉、熱分解炉で得られたチャー(炭)を燃焼して熱分解およびガス化反応の熱源となる燃焼炉を組み合わせた3室内部循環流動層と、これから得られたタールと水素を反応させて液体燃料に転換する水添ガス化炉の組み合わせで構成されています。日量2トンのバイオマスを処理し、ドラム缶1本分の液体燃料を製造できる大学設置としては最大規模のバイオマス液体燃料転換プラントを群馬大学内に建設中です。これまでに2トン/日の熱分解ガス化炉が完成し、現在、水添ガス化炉の製作を行っています。年内にはトータルシステムとしての液体燃料転換実験を行う予定です。

図1 ハイブリッドガス化液体燃料転換プロセスによるバイオマス利用社会図1 ハイブリッドガス化液体燃料転換プロセスによるバイオマス利用社会
図2 ハイブリッドガス化プロセスの概要と2トン/日試験設備外観図2 ハイブリッドガス化プロセスの概要

インドネシアに適合的なバイオマス廃棄物のエネルギー転換プロセス
(JST・JICA SATREPSプロジェクト)

特定非営利活動法人APEX、技術応用評価庁(インドネシア)、ディアン・デサ財団(インドネシア)と共同で、インドネシア社会における利用に適したバイオマスのガス化プロセスおよびガス化ガスからのメタノール合成プロセスの開発を行っています。このプロジェクトで開発するバイオマスガス化炉では、タールを分解するための高価な触媒は使用せず、代わりに現地で調達・調整可能な粘土鉱物を触媒として利用する点が特徴です。これによって、ガス化の効率はいくらか低下しますが、バイオマス中の栄養塩類が蓄積した使用済み触媒を肥料として利用できるようになります。この肥料を地域の人々へ配布することで、荒れた耕作放棄地を回復し、農地転換を図ることもできます。このように、単に効率を高めるよりも、より地域に適したバイオマスの利用方法があり、このような技術を「適正技術」と私たちは呼んでいます。私たちは、「適正技術」によって、インドネシアだけでなく、広くはアジア全体のバイオマスの有効利用のあり方を考えていきます。

図3 粘土を流動媒体とする「適正」バイオマスガス化図3 粘土を流動媒体とする「適正」バイオマスガス化
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