トップページ > 環境への取り組み > 地域の難題に住民とともに挑む~日本一汚いといわれた湖の水質改善に取り組む~

環境への取り組み

 

地域の難題に住民とともに挑む~日本一汚いといわれた湖の水質改善に取り組む~

 
東海地区 2014年2月25日
東海地区
静岡大学 工学部

2003年当時、静岡大学工学部のある浜松キャンパスから約2キロの場所にある「佐鳴湖(さなるこ)」は、環境省がモニタリングしている湖沼のうち全国で最もCOD-Mn値が高い(つまりワースト1の)湖でした。佐鳴湖は工学部の駅伝大会や漕艇(そうてい)などで長年静大生にとって親しみのある場所で、多くの市民もその汚濁に心を痛めていたことから、水質を改善するために工学部の教員学生がともに活動しようと静岡大学アメニティ佐鳴湖プロジェクトを結成しました。

2013年秋の佐鳴湖(南岸からの風景)
2013年秋の佐鳴湖(南岸からの風景)

佐鳴湖は浜松市西区と中区の間にある南北2キロ東西0.6キロ、深さ2メートル程度の大きさの湖で、浜名湖に水路でつながって汽水湖であるため50種をこえる魚類が生息します。上流からの水量が少ないため、川よりも海の影響が大きく、海の干満の影響で水位が30〜40センチ上下します。水が刻一刻と動くため、水質調査も定点定期観測ではとらえきれず、24時間連続調査も試みました。現在では、下水道整備が進み浚渫(しゅんせつ)の効果もあってかCOD-Mn値が8ppmを下回るようになりワースト10位くらいに改善しました。プロジェクトでは、設立から継続して行政が実施しにくい地下水流動予測、物質収支推計、安定同位体分析の手法を用いた食物網解析や流域水文調査などを行い、住民、行政、大学が共同する形での啓発や学習の活動にも精力的に協力し続けてきました。

2013年秋の市民水質調査(地域で年4回開催、教員学生も参加)
2013年秋の市民水質調査
(地域で年4回開催、教員学生も参加)
ヤマトシジミ幼貝(継続的に人工繁殖成功、受精後約5ヶ月)
ヤマトシジミ幼貝
(継続的に人工繁殖成功、受精後約5ヶ月)

また、最近は毎年2~3月に関係者が集まって情報交換や議論を行う「佐鳴湖交流会」を開催しています。そのほか、かつて湖に生息していたヤマトシジミを復活させてさらに環境を改善しようという市民の取組みにも賛同して協力し、周辺の小中学生からの見学や環境学習の依頼、各種団体からの佐鳴湖についての講演要請などにも応えています。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2009-10-01

環境への取り組み

水の流れを追いかける研究者たち

山梨大学工学部

2009-10-01

環境への取り組み

最上川の水質調査研究

山形大学工学部

2011-11-28

環境への取り組み

「科学・夢のロードマップ」を実現させよう

新潟大学工学部

2014-10-22

なんでも探検隊

魚の成育環境を改善した人工魚礁の開発

香川大学工学部

2010-02-03

環境への取り組み

微生物のもつ機能を知り、利活用する技術開発を目指して

宇都宮大学工学部

2014-07-11

なんでも探検隊

安全安心社会を構築する水汚染浄化技術~福島除染で活躍する繊維状セシウム吸着剤~

長岡技術科学大学工学部

静岡大学
工学部

  • 機械工学科(宇宙・環境コース)
  • 機械工学科(知能・材料コース)
  • 機械工学科(光電・精密コース)
  • 電気電子工学科(情報エレクトロニクスコース)
  • 電気電子工学科(エネルギー・電子制御コース)
  • 電子物質科学科(電子物理デバイスコース)
  • 電子物質科学科(材料エネルギー化学コース)
  • 化学バイオ工学科(環境応用化学コース)
  • 化学バイオ工学科(バイオ応用工学コース)
  • 数理システム工学科

学校記事一覧

環境への取り組み
バックナンバー

このサイトは、国立大学54工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。