トップページ > 環境への取り組み > 微生物のもつ機能を知り、利活用する技術開発を目指して

環境への取り組み

 

微生物のもつ機能を知り、利活用する技術開発を目指して

 
関東地区 2010年2月3日
関東地区
宇都宮大学 工学部

●生活排水や工場排水をきれいにする活性汚泥法

活性汚泥法

水や土壌環境中にはいろいろな有機物を分解し、地球上での物質循環に与る多種多様な微生物が生息しています。こうした微生物を人工的に高濃度化し、生活排水や工場排水の浄化に利用しているのが「活性汚泥法」(かっせいおでいほう)という代表的な生物処理法です。

「活性汚泥」は細菌を主とする微生物集団であり、微生物の宝庫です。活性汚泥構成細菌はなぜか互いに絡まり合い、フロックという凝集体(ぎょうしゅうたい)を形成するので、水処理に利用できるのです。圧縮空気で機械的に撹拌(かくはん)・混合されるエアレーションタンクでは、水の汚れの90~95%が安定して除かれます。

生活排水や工場排水をきれいにする活性汚泥法

●いま宇都宮大学で取り組んでいる研究

微生物の宝庫である活性汚泥から役に立つ細菌を分離し、(1)遺伝子DNAの塩基配列解析による細菌種の同定、(2)なぜ細菌同士が凝集するのか、(3)水質浄化にどのような細菌が働いているのか、(4)細菌がどのように化学物質を認識し、これに向かって動く走化性を示すのか、(5)環境にやさしい光や薬剤を用いた微生物の殺菌技術など、幅広い研究を行っています。
すなわち、微生物の性質と機能を調査して正しく理解し、汚染された環境場の浄化や分析の手段などに利活用し、安心・安全な生活環境づくりを目指しています。

いま宇都宮大学で取り組んでいる研究
学内の共同利用研究施設

【学内の共同利用研究施設】

微生物の観察や分類のためには、電子顕微鏡や遺伝子の塩基配列解析装置は欠かせません。これらは地域共生研究開発センターやバイオサイエンス教育研究センターに整っています。

詳細は以下の宇都宮大学ホームページにてご覧ください。
http://www.utsunomiya-u.ac.jp/

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2023-10-27

なんでも探検隊

電気で微生物細胞の生死を見分ける検査法

富山大学工学部

2022-02-10

環境への取り組み

開発途上国向けの低コスト水処理システムの 日本国内での環境教育への適用

長崎大学工学部

2015-11-30

環境への取り組み

マイクロバブルとミストによる環境浄化

熊本大学工学部

2018-03-30

おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

トウモロコシの芯から炭を作り、水の浄化に役立つ吸着作用を調べよう

長崎大学工学部

2015-03-03

なんでも探検隊

海藻は宝の山-コンブからエネルギーと有用物質をつくる

広島大学工学部

2023-12-01

環境への取り組み

半導体構成元素を回収し、そこから半導体を合成する海洋細菌

広島大学工学部

宇都宮大学
工学部

  • 基盤工学科(物質環境化学コース)
  • 基盤工学科(機械システム工学コース)
  • 基盤工学科(情報電子オプティクスコース)

学校記事一覧

環境への取り組み
バックナンバー

このサイトは、国立大学55工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。